ホームページは医療広告として扱われます
これまでホームページは、誰にでも目の付くところに掲示されている「認知性」という性質を持たないことから、広告として扱われることはありませんでしたが、2018年6月の法改正により、医療機関のホームページは「認知性」がない場合でも「医療広告」として扱われることとなりました。
このため、医療機関のホームページは「医療広告ガイドライン」に基づいて作らなければなりません。
(医療広告ガイドラインについて詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください)
医療機関のHPを規制する意味とその結果
根本にある趣旨は、患者の利益が守られなくてはならないということと、医療の品位を損なってはならないという、誰でも納得できるものではありますが、正しいとされるものとそうでないものを「定義」で線引することはできるはずもなく(できたとしても、いずれ抜け道を探す者とのイタチごっこになってしまう)、結果的に無難な内容のみを許可するという排他的な規制になってしまっています。
広告可能な表現が限られているという事実だけで考えれば、「どこの医療機関のホームページも同じになってしまうのでは…」「そうなると患者はどうやって医療機関の良し悪しを判断すれば良いのか…」という疑問も出てくるのではないでしょうか。
これからのHPでの表現方法
結論から言えば、そんなことにはなりません。問題ありません。
規制の対象となるのは、極端な分類をすると「優良誤認」が大部分を占めます。つまり、良いものだと想像させるような表現をしてはいけないということです。
具体的な例を紹介すると、
- 歯周病専門外来
- インプラント認定医
- 安心安全
- 患者様満足度97%
- 県内トップの実績を誇ります
という、誇大な表現や他の医療機関と比較して…のようなものです。もちろん虚偽の内容は絶対にNGです。そのほか、
- 症例写真※
- 患者様の声
というような、患者様によって違いがあることや、主観に基づく内容も規制の対象になります。
※症例写真は、患者様にとって医療機関を選択する、または治療を受けるための有益な情報になり得ることがあるため、一定の要件を満たすことで掲載が可能とされています。
これらはつまり、患者様が積極的に「知りたい」と思っていることではなく、医療機関側が信頼を得るために自らの安全性や権威性、もしくは患者様のメリットだけを必要以上にアピールしている、プッシュ型のマーケティングです。ですので、今後の医療機関のホームページは、プル型のマーケティングに倣った内容にしていくことが重要です。
患者様の気持ちに寄り添い、求めていることを真摯に提供するというスタンスでホームページを作ることで、オリジナリティ溢れるホームページになりますし、患者さんにも伝わるものになるでしょう。そして、人柄や雰囲気を伝える写真もこれまで以上に大切になります。もちろん写真は必ずオリジナルのものを使いましょう。